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† 姫と剣 †
第10章 覚悟



「取り戻しましょう…」




真面目なルシアの表情に、リューイは、ゴクリと唾を飲む。





「私の…記憶を─────」




ルシアの覚悟に応えるようにリューイもゆっくりと頷く。


だが、その隣でリューイの父アースは手を見開いて慌てふためいていた。




「そんなっ……あの森に入るということですか…! そんな危険なこと───」



「──── 無理はしないと、父とも約束しています。それに…」




アースの言葉を遮ったルシアはそのままリューイに視線を移す。


そのルシアに釣られて、アースも隣に佇む息子を見つめた。





「リューイがいてくれますから」



「…………………」



「………ね? リューイ」





微笑むルシアに頷いたリューイは、そのまま父を見つめる。




「何も出来なかったあの時とは違います。私は……必ず姫を守ります」



「リューイ………」





真剣な息子の眼差しに、アースははぁ……と息を吐く。



王家から絶大なる信頼を寄せていたランドルト家。



だが、王妃エステルの死の責任を取ってランドルト家はこの王宮から去った。



当時、王宮を去ろうとするアースを王は止めた。



だが……


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