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† 姫と剣 †
第11章 森の奥
「このまま、お前を女王にはさせぬ……」
「そん…なっ………」
「お前を殺し、妹シャロンも消えれば……」
ハハと再び高笑いしたマリーをリューイがキツく睨む。
「あのように老いた兄上を殺すことなど容易いこと……。娘の死のショックも加われば、少しの毒で死ぬやもしれぬ」
「っ…………そんなことっ…」
ショックで言葉が出ない。
ローハーグ内部のものの仕業だというのは分かっていたが…
ここまで近しい…しかも血の繋がった者が、自分の死を望んでいたとは……
「さぁ、死んでもらおう」
マリーが両手を上げ、微笑む。
その背後から強い風が吹いて、ルシアとリューイは腕で顔を覆った。
辺りが怪しく青く光る。
禍々しい雰囲気に寒気がして、「ククク」と勝ち誇ったマリーの笑いが響く。
「さぁ……リサ、お前の出番だ」
黒い影が遠くからやってくる。
立ち込める空気に、ルシアはまるで心臓を鷲掴みされたかのような感覚がよぎって胸のあたりをギュッと掴みながら、その場で膝をついた。
「姫……! 大丈夫ですか!」
すぐにリューイがルシアの肩を抱く。
ルシアの息が荒い。
それに焦りながらリューイは顔を上げた。