この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
† 姫と剣 †
第11章 森の奥



「待てっ………」



ローハーグ王の言葉に、魔女の足が止まる。




「頼む……ルシアの…娘の記憶を…返してやってくれ」



「お父さまっ……」




恐れることなく、切実にそう伝える父の姿にルシアは胸を震わせる。



魔女は、そのまま振り返らない。





「………王妃は……私が殺した」



「……っ……………」



「それを知っていて、私に頼んでいるのか」



「………知っている」




ローハーグ王は、そのまま視線を落とすとギュッと目を瞑った。


愛する妻を失った時のあの胸の痛み。


それは今でも癒えていない。



だが……




「お前が……その力でルシアを救ってくれたのもまた真実……」



「……………」




ローハーグ王は、横でこちらを見上げている娘を見つめた。


妻が命をかけて残した宝……




「それに関しては……感謝をしている」



思いもよらない言葉に、魔女は震えながらゆっくりと振り返った。


長いウェーブした黒髪。


その隙間から、チラリと瞳が見える。


じっと魔女の顔を見つめていたローハーグ王は、見覚えのある顔に眉を寄せた。




「………お前は……」



「……あなたは……いつだってそうお人好し…だ」




一筋の涙が魔女の瞳からこぼれ落ちる。




わなわなと震えていたマリーは、痺れを切らし兄であるローハーグ王を指差した。

/315ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ