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† 姫と剣 †
第11章 森の奥
そして、エステルが第二子となるシャロンを出産した、という知らせを聞いたある時。
心から喜べなかったリサの耳元で突然マリーが囁いた。
─────────────── エステルがいなければ……
─────────────── ホント、お兄様ったらひどいわよね…?
悪魔の囁き。
同じく心に闇を宿したものの言葉が、リサの隙に入り込んだ。
──────────────── 魔力があれば、何だって出来るのよ?
──────────────── エステルを消すことも…お兄様と結ばれることも……
唆されるまま、リサは導かれた森の中、魔の力が溜まったそこで契約を交わす───────
人知れず、哀れな魔女を生んだ森は霧が立ち込めて……
リサは魔術を駆使して、様々な人から幼少期の記憶を奪い、それを追体験しながら快感を得て過ごしていた。
全ては……
悲しい結末を迎えた自身の恋の思い出を………記憶を塗り替えるため。
無論そんなことは出来ず、ただ追体験することしか出来ないのだが、それでもリサは構わなかった。
そして……
やっと理想の記憶の持ち主と出会う─────