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† 姫と剣 †
第11章 森の奥



リサは自分の人生を反芻しながら、微笑むと、再び両手を掲げて緑に輝く光の玉を出した。




「アルノ…」



「……………」



「あなたの娘の記憶は……本当に素敵で、私の理想のものだった」





身分違いの……


幼き2人の小さな恋。




クルクルと高く宙を舞ったその玉は、リサの手を離れ、ゆっくりと降りる。



そして、それを見上げるルシアの手元に近付くとゆっくりとルシアの胸の中へと入っていった。




「んっ…………」



「姫………!」




そして、そのまま意識を失ったルシアを支えながらリューイが慌てる。



その2人の様子に胸を痛めた。




「心配するな、すぐに目覚める」




軽く微笑んだリサの言葉にリューイ含め周りの皆が安堵の表情を見せた。



「リサ……お前は何故このようなところで…」



何故………



それはリサも自分に問いたい。





「どこで狂ってしまったのか……私も分からない」



「…………………」



「ただ………あなたが好きだっただけなのに…」




微笑みながら涙を流したリサは、そのまま自身の両手で自身の首を掴む。




「リサ……私はっ………」



「いいのよ、アルノ。あなたは何も悪くない」




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