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† 姫と剣 †
第12章 恋慕

ポケットに手を入れたルシアは、中のものを掴むと、それをリューイに差し出した。
「これは………?」
「ミサンガよ」
茶色と緑で編まれたそれを掴んだリューイはじっとそれを見つめる。
色が、それぞれの瞳の色になっていることにすぐに気が付く。
「何があっても、ずっと一緒にいられるように、ね」
ルシアの白い頬が、ほんのりとピンクに染まる。
幼い2人の胸が小さく弾む。
「リューイ、好きよ」
「────────……っ」
ルシアはいつも、驚くほどまっすぐな言葉を投げてくる。
そしてまんまと顔を紅くするリューイを見てルシアはふふふと笑った。
「顔、真っ赤ね」
「………ちょっと暑いだけ」
そんな風にカッコつけながら、リューイはしゃがみ込むと、ルシアからもらったミサンガを足首につけた。
何があっても一緒にいられるように─────
そう願いながら。

