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† 姫と剣 †
第12章 恋慕

もう二度と戻らないと思っていたルシアの記憶が戻ったことに、リューイは安堵していた。
あの時と同じ眼差し。
再び2人の時が巻き戻ったことに胸がいっぱいで苦しいほどだ。
そして、ずっと抑え込んでいた想いが今─────…
「愛しています…………」
想いを言葉にすると呆気ない。
それでも、ルシアは嬉しそうに満面の笑みを見せて、ぽろぽろと涙を流しながら頷いてる。
愛しくて…
この身に代えて守り抜きたいと願った1人の女性────
そして、
「──────────……」
吸い寄せられるように互いの唇が重なる。
どれほどまでに、この時を願っただろうか。
10数年越しの熱い想い。
幸せを噛み締めながら、2人は長い時間そのまま唇を重ねていた。

