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† 姫と剣 †
第12章 恋慕

広間にして王が愛おしそうにルシアを見つめる中、ルシアは意を決して皆の前に足を進めた。
────────────── 自分勝手は承知の上で…お願いがあります。
ルシアが何を言いだそうとしているのか、森での出来事を知っている者なら分かる。
────────────── 『お父様もお母様もあなたの幸せを願っている』そう、お母様も言っていました。私の幸せは…リューイと共に生きることです…
その言葉に、リューイは目を見開いた。
昔からまっすぐで、堂々としていて。
生まれながらの王族なのだと感じた。
だからこそ…このローハーグに必要な存在なのが、痛いほど分かる。
────────────── お前の気持ちは分かった。いや…昔から痛いほど分かっていた。
ローハーグ王は、困ったように微笑む。
────────────── とは言え、私は姫で、リューイは騎士。結婚が許されないのは分かっています。ですから…私は一生独身を貫くつもりです。
ルシアの決意の言葉に、リューイは自問自答を繰り返す。
それが本当の幸せと言えるのか。
自分が足かせになっているのでは…?
これまで何度も何度も繰り返した答えのない問い。
だが…ルシアを愛していると認めた今、ルシアを止めることをはっきりと体が拒否をしている。
皆が次の言葉を探す中、言葉を発したのはなんと、ルシアの妹、シャロンだった。
────────────── お父様。お姉さまの結婚を許してあげて

