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† 姫と剣 †
第12章 恋慕

「そうすれば、あなたは恥ずかしそうに身を隠そうとするのでしょうが……私はあなたの腕を掴んでそれを阻みます。きっともっと見ていたいという気持ちに駆られて自制することが出来ないでしょうから」
「っ…あ、あの……もう────」
「───そして…あなたが先程のように、頬を上気させ、潤んだ瞳で再び見つめてきたらしたら……今度こそ私の理性は完全に崩壊します」
「リューイ……分かったからっ…っ」
「愛しい……触れたい……もっと近付きたい……俺のものにしたい。そんなことしか考えられなくなって、あなたの至るところにキスを落とし……多分それでも足りなくて止めどない色欲に塗れて、今度は舌を────」
「─────もうっ……! 分かったから!!」
止まらないリューイの囁きにルシアは堪らずに声を上げて止める。
自分でも顔が熱いのが分かる。
言葉だけであったのに、体が疼いている。
チラと躊躇いがちに顔を上げてリューイを見るが、先程のような照れた様子はなく至極真面目な顔をしてこちらを見ていた。
寡黙なリューイから発されたとは思えない言葉の数々に、目が回りそうだ。
「………戸惑わせてしまって申し訳ありません。ただ、あなたが分かっていなさそうだったので」
「………っ…」
「このような状況で、愛しいあなたを前にしてしまえば……私もただの男に成り下がります」

