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† 姫と剣 †
第13章 姫と剣



「だから……戻れないわ……」




その言葉を受け取ったシャロンは、すぐに、ふふふと笑うと、マヤの方を見た。




「ね、言ったでしょ? お姉さまは絶対に戻らないって」



「そんなぁ……」



「大丈夫よ。お姉様」





予想外の反応に、「へ?」とルシアが声を上げるとシャロンは腰に手を当てた。





「私もお父様もお姉さまがそう仰るだろうなって、わかっていたから」



「………そ、そう」



「それに、私が立派に女王になってこのローハーグを治めますから、安心して」




やはり、ペラペラと話す様から、シャロンの年齢を忘れてしまいそうになる。



きっとこの器量があれば、シャロンが言う通り、ローハーグは大丈夫だ。




「でも、たまに助けて下さいね? お姉さまの知見やお考えをお聞きしたい時もきっとありますから」



「もちろんよ」




嬉しくなって、思わずシャロンを抱き締める。



また背が伸びた。



いちいちシャロンの成長を感じながら、愛おしい気持ちでルシアの胸はいっぱいになった。




「あ、そう、あと…もう一つ大切なことが……」



「なに……?」



「あの、今ローハーグに─────」



「────── ルシア姫お久しぶりです」




大きな人影に、聞き覚えのある声。



ハッとしたのと同時に、咄嗟にリューイが木剣をその人物に向けたのが見えた。



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