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† 姫と剣 †
第13章 姫と剣
長い黒髪に、青い瞳。
まるで、女性かのような整った顔立ち────…
驚いたルシアは目を見開く。
「ロイ王子っ……」
ニコリと笑ったロイは、そのまま木剣を向けてくるリューイを見た。
「相変わらず、君は物騒だな……」
ふっとロイが笑うと、リューイは木剣を納める。
「何もしていないというのに」
「反射だ」
片眉を上げたリューイの言葉に、息を吐いたロイは、ルシアに視線を戻すとその場に跪いて手を取る。
「姫……お元気そうで何よりです」
「…………あ、あの、もう私は姫ではありませんのでそんな…」
「私にとって、ルシア姫は、いつまでも姫ですよ」
ちゅっと音を立てて手に落とされたキス。
いちいちの動作に勢いがあって、一度捉えられると抜け出せない。
ロイにはそんな不思議な雰囲気がある。
「あの……っ……何故、ローハーグに…」
「お聞きになっていませんか?」
ロイの言葉に、ルシアは首を振る。
「………同盟、です」
「同盟………?」
「ええ」
ロイの言葉に、ルシアは思わずシャロンの方を見た。
「同盟って……」
「お姉さま、別に政略結婚がなくたって、国と国は同盟を結べるのよ?」
「じゃあ…」
振り返ったルシアは再びロイを見つめる。