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† 姫と剣 †
第13章 姫と剣
夕刻。
燃ゆる夕日を見つめながら、ルシアは隣に座るリューイの肩にもたれ掛かった。
なんて事のない時間すべてが幸せで、心地良い。
記憶がなかったあの頃は、いつも何かが足りなかった気がしていたけど、今は隣にリューイもいて、常に満ち足りている。
もたれ掛かりながら、じっとリューイを見上げると、リューイはそれに気付いてルシアの顔を覗き込み、たまらず引き寄せて頬や首筋にキスを落とした。
「っ……ちょっと…っ…リューイ、ここは外なのよ」
「…………熱っぽい視線を向けられたのでつい」
「………リューイって…意外と強引よね」
唐突な指摘に、「ん」と声を漏らしたリューイは、軽く項垂れる。
「……すみません」
少ししょぼくれているリューイに、ルシアはかわいい……という気持ちと共に、胸がキュッと狭まるのを感じた。
「別に………それが嫌ってわけじゃないけど」
その言葉に顔を上げたリューイは夕日を見つめながら少し頬を紅らめているルシアを再び引き寄せた。
「………良かったです」
そう言いながら、リューイは先ほどと同じように頬、首筋にキスを落とした。
「っ……んもっ…そうやってすぐに……っ」
「愛しています……」
想いが通ってからというもの、リューイは惜しげもなく直球な想いをルシアにぶつけている。
それにルシアはいちいち心臓を高鳴らせていた。