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† 姫と剣 †
第2章 成人の儀


リューイは、授かった大剣を背中に携えると、ルシアを見つめた。


そして驚いたまま固まっているルシアの前で、跪く。



「ルシア姫」


「……………」


「リューイ=ランドルト、この命に代えて姫をお守りいたします──」



自分の前で跪いたままのリューイをルシアは呆然と眺める。


そして、震える声で「頼みます」と返した。


立場と状況が変わってもなお、二人を取り巻く不思議な空気が流れる。


王は人々にまた合図をすると、またその場が一斉に盛り上がった。



「今夜は宴だ。今日は各国の要人が集まっている。出来るだけ親交を深めるように」


「はい、お父様…」



軽く頭を下げると、ようやく堅苦しい儀式が終わる。


ルシアは再度着替えのために侍女たちに先導されてその場を後にした。


もちろん、リューイもその後をついてくる。


祝典式場から出て、王宮の中へ入ると、ルシアは勢いよく振り返ってリューイの両腕を浮んだ。



「リューイっ………リューイなのね…っ……」


「─────…」


「まさかあなたが…私の護衛の騎士だなんて……っ」



儀式の前に沈んでいた気持ちが一転、興奮が止まらないルシアに周りの侍女も驚いている。



もちろんマヤはリューイのことを知っているので、ルシアと同じようにリューイが護衛の騎士であるという事実に驚いていた。


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