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† 姫と剣 †
第2章 成人の儀


部屋の中で、ルシアは儀式用の服を脱がされていた。


まさか、護衛の騎士がリューイだとは夢にも思わなかった。


遠いところに発つと言っていたのはこの王宮のこと……。


リューイも、あの時は私がまさか王族だとも思わずにそんなことを言ったに違いないが。



「護衛の騎士、とても美男子ですね! ルシア様お知り合い…?なんですか?」


「……………い、や…その…」


「あの顔立ちに加えて剣術弓術全てに秀でているなんて、モテそうですよね」



きゃっきゃとはしゃぐ侍女たちは、宴用のドレスをルシアに着せる。


マヤも、ルシアの支度を手伝いながら、ルシアと同じく『まさかリューイが』という気持ちでいっぱいだった。



「血筋もあるのかもですね」



アマンダの言葉にルシアは眉を挟める。



「血筋……って…?」


「彼、ランドルト家の長男みたいですよ」



リューイ=ランドルト


確かに、王はリューイをそう呼んでいた。




「ランドルト家って……そんなに名門なの?」



ルシアも聞いたことはない。



「えぇ、代々王家に仕える近衛の血筋だったみたいで……」


「『だった』……?」



アマンダの言葉尻にルシアが敏感に反応すると、アマンダは顎に手を当ててうーんと考え込んだ。



「私もあまり詳しくないのですが……。王妃様…ルシア様のお母様が亡くなられた時に一度近衛の任を退いたとかなんとか…」




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