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† 姫と剣 †
第2章 成人の儀


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宴も終わった深夜、ルシアの部屋にて。


鏡の前、ルシアは座りながら自分姿を呆然と見つめる。


その傍では、アマンダがルシアの髪をブラシで梳かしていた。




「アマンダ、もう大丈夫よ。自分でやるわ」




アマンダは、ブラシをルシアに渡して、頭を下げる。




「今日は、色々とありがとう」


「いえ、本日は本当におめでとうございます」




挨拶をして部屋から出ようとするアマンダを、ルシアが呼び止める。




「外にリューイがいたら…呼んでくれる?」


「リューイですか?」




ルシアは少し俯くと、えぇ、と返事をする。


アマンダは、分かりましたと返事をして部屋から出ていった。


ルシアの心臓が強く拍動を始める。


ようやく二人きりで話せる……


アマンダから受け取ったブラシを強く握ると、ノックの音が響いて、ルシアは震え声で返事をした。



扉が開くと、リューイが姿を現す。



「お呼びでしょうか」



そう言って片膝をついたリューイを見て、テーブルにブラシを置いたルシアは、小走りでリューイの元へと駆け寄った。



「大丈夫…もう私たちしかいないから…っ」


「……………」


「跪いたり…頭を下げたりしなくていいわ」



その言葉に、ゆっくりと顔を上げたリューイはルシアを見つめる。


揺れる瞳。


そして、シンと空気が止まる。



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