この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
† 姫と剣 †
第2章 成人の儀
━━━━━━━━━━━━…
宴も終わった深夜、ルシアの部屋にて。
鏡の前、ルシアは座りながら自分姿を呆然と見つめる。
その傍では、アマンダがルシアの髪をブラシで梳かしていた。
「アマンダ、もう大丈夫よ。自分でやるわ」
アマンダは、ブラシをルシアに渡して、頭を下げる。
「今日は、色々とありがとう」
「いえ、本日は本当におめでとうございます」
挨拶をして部屋から出ようとするアマンダを、ルシアが呼び止める。
「外にリューイがいたら…呼んでくれる?」
「リューイですか?」
ルシアは少し俯くと、えぇ、と返事をする。
アマンダは、分かりましたと返事をして部屋から出ていった。
ルシアの心臓が強く拍動を始める。
ようやく二人きりで話せる……
アマンダから受け取ったブラシを強く握ると、ノックの音が響いて、ルシアは震え声で返事をした。
扉が開くと、リューイが姿を現す。
「お呼びでしょうか」
そう言って片膝をついたリューイを見て、テーブルにブラシを置いたルシアは、小走りでリューイの元へと駆け寄った。
「大丈夫…もう私たちしかいないから…っ」
「……………」
「跪いたり…頭を下げたりしなくていいわ」
その言葉に、ゆっくりと顔を上げたリューイはルシアを見つめる。
揺れる瞳。
そして、シンと空気が止まる。