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† 姫と剣 †
第3章 決闘


結ばれることが許されないというのに、傍にずっとい続けるだなんて、そんな拷問には耐えられない────


自分だけでなく、リューイだっていずれは他の女と結婚をし家族を設けるだろう。


想像しただけでルシアの胸は引き裂かれそうになる。


運命のいたずらに抗うべく、ルシアはリューイに剣を向けている。


ひたすらにルシアの攻撃を受けるのみで、反撃をしないリューイに、ルシアはぐっと歯を食いしばる。



「姫、おやめください」


「やめない…っ…」


「失礼ながら、姫が私に敵うはずがありません」




交差する2つの剣。


ルシアは力一杯それを弾いて、体勢を立て直す。




「そんなの、やってみなきゃ分からないでしょ……っ…」




ルシアは肩で息をしながら、リューイを切なげに見つめる。


この恋を……リューイを忘れる必要があるというのなら、離れて欲しい───


でなければ、この気持ちに踏ん切りがつかない。



立て直したルシアが再び向かってくる様子を見て、リューイはギュッと唇を噛む。


ヒュッと木剣が風を切る音が響く。


リューイは、ルシアのこの一撃を避け、ルシアの真横に立つと、そのまま足でルシアの足を引っ掛けた。



「──────……っ…」



そのまま、ルシアの剣が反動で手から離れるのと同時に、ルシアが後ろへ倒れ込む。


負けてしまう────


頭上で舞う剣がゆっくりと動いて見える。


再び体勢を整えようと試みるがもはやそれには遅い。


リューイは、宙で舞うルシアの剣を素早く掴み取ると、そのまま倒れ込むルシアの背中をしゃがみ込む形で支え、ルシアの顔の横に、剣を突き刺した。

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