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† 姫と剣 †
第3章 決闘

「あんな美男子に2人きりになりたいって言われて、何が不服なんですかっ…!」
「っ……そういう問題じゃないでしょ!」
「このままお2人でイイ感じに……」
何かを妄想するようなマヤの表情に、ルシアは顔を引き攣らせる。
いつもはルシアのペースにマヤがついていく構図だが、今日は逆転している。
ロイが心底気に入ったマヤは、何としてでも自身の主人であるルシアとロイを引き合わせようと必死である。
「すぐにご用意いたしますので」
勝手にロイに返事をしたマヤに、今更断ることも出来ず、ルシアは困ったように頬に手を当てた。
客人を自分の部屋に招くなど、そんなこと今まで一度だってなかった。
そんな待遇何より客人に無礼だが、今回はその客人が望んでいること。
それ自身も非常識な気がするが、もはやロイに反論することも出来ない。
観念したルシアは、周りの使い達が慌ただしく用意を進める中、ロイをソファーへと誘った。
「本当に……こんなところでいいのでしょうか」
「えぇ。もちろん」
ロイはそう言いながら、準備が出来るのを待っている。
そして、セスを呼ぶとセスは持っていたものをロイに差し出した。
「君」
「は、はいっ!」
いそいそと準備を進めるマヤを呼び止めると、ロイはニコリと微笑む。
「空のグラスを2つ、余分に頼むよ」
「は、はいぃ」
完全にロイの色気にやられて目がハートになっているマヤに、ルシアは呆れが止まらない。
グラスも用意され、あらかたの料理がソーファの前のローテーブルなど各地に置かれると、ロイはセスも含めて人払いをした。

