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† 姫と剣 †
第3章 決闘


全ての人を出して、扉を閉めようとするロイと扉の外にいるリューイの目が合う。



「君も外で待っていてくれたまえ」


「………………」




何かを考えたままじっと止まったリューイも、しばらくして頭を下げる。


その様子を見つめて、ロイは扉を閉めると、ふぅと息を吐いてソファに座るルシアを見つめた。


瞳と同じ、深い緑のワンピースは胸元が紐で編み上げられている。


頭上に輝くティアラが室内でも眩しい。



「では、はじめましょう」


「ええ」




ルシアの隣に腰掛けたリューイは、用意されたシャンパンのグラスを2つ掴み、1つをルシアに差し出す。




「では、改めて成人の儀を迎えられましたこと、おめでとうございます」


「ありがとうございます」



チリンと音を立ててグラスがぶつかり合う。


ゴクゴクと酒を勢いよく飲むロイの傍らで、ルシアは、口に含む程度の少量を飲んだ。




「この時が待ち遠しくて、ずっとソワソワしてしまいましたよ」


慣れたような、そんなロイの言葉にルシアはふふとだけ笑ってグラスをテーブルに置く。


2人きり、今まで以上に距離が近い。


ソファーの片隅で萎縮するように身を縮めているルシアを見て、ロイはその長い髪をかき上げる。




「私が怖いですか…?」


「いえ…そんな」


「ではなぜ端で縮こまっているんです?」


「そんなつまりは…ないです」




ロイの問い掛けに、ルシアは少しだけ腰を浮かせて数ミリ程度ロイに近付く。

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