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† 姫と剣 †
第3章 決闘


「どう…って………もちろん素敵な方だと、思っています…」



体の内側から熱がたぎる。


経験のない感覚に、ルシアは戸惑うがうまく体に力が入らない。



「ルシア姫……」



ロイはルシアの優しく腰を引き寄せるようにして抱き締めると、潤んだ瞳に魅せられて、ロイはルシアの頬へとキスを落とす。



「ちょっ…ロイ王子っ…」


「私の…妃になってくれませんか?」


「え……っ…?」




あまりに密着してくるロイを振り解こうにもうまくいかない。


段々と頭がぼんやりとしてきて、心臓がけたたましく鳴る。




「ダメですか……?」



ロイの頬がかすかに紅く染まる。



「あの……っ…婚姻は…私1人では決められませんので…」



体をくねらせ、柔い抵抗を続けるルシアをロイは強く掴む。



「なぜです?」


「なぜって…それは───」


「───政治が絡むから、ですか…?」



少しだけ、怒ったような声音にルシアは怯むことなくロイを見つめ返す。



「私は王子、あなたは姫……。お互いの立場上、簡単に結婚など出来ない…と」


「そう、です」



分かっているのなら何故聞くのか。


意図が分からずにルシアはそれを探ろうとする中、ロイに切なく見つめられてルシアはハッと息を飲んだ。



「─────…っ」



塞がれた唇。


それに驚いて目を見開くルシアは、うまく力の入らない中で、バタバタと暴れて抗った。


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