この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
† 姫と剣 †
第3章 決闘

「どう…って………もちろん素敵な方だと、思っています…」
体の内側から熱がたぎる。
経験のない感覚に、ルシアは戸惑うがうまく体に力が入らない。
「ルシア姫……」
ロイはルシアの優しく腰を引き寄せるようにして抱き締めると、潤んだ瞳に魅せられて、ロイはルシアの頬へとキスを落とす。
「ちょっ…ロイ王子っ…」
「私の…妃になってくれませんか?」
「え……っ…?」
あまりに密着してくるロイを振り解こうにもうまくいかない。
段々と頭がぼんやりとしてきて、心臓がけたたましく鳴る。
「ダメですか……?」
ロイの頬がかすかに紅く染まる。
「あの……っ…婚姻は…私1人では決められませんので…」
体をくねらせ、柔い抵抗を続けるルシアをロイは強く掴む。
「なぜです?」
「なぜって…それは───」
「───政治が絡むから、ですか…?」
少しだけ、怒ったような声音にルシアは怯むことなくロイを見つめ返す。
「私は王子、あなたは姫……。お互いの立場上、簡単に結婚など出来ない…と」
「そう、です」
分かっているのなら何故聞くのか。
意図が分からずにルシアはそれを探ろうとする中、ロイに切なく見つめられてルシアはハッと息を飲んだ。
「─────…っ」
塞がれた唇。
それに驚いて目を見開くルシアは、うまく力の入らない中で、バタバタと暴れて抗った。

