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† 姫と剣 †
第3章 決闘


「王子っ……!」


「王位などバカバカしい───」




ようやく唇が離れると、ロイはそう言ってルシアに凄む。




「あなたはそれで良いのですか? 王子や姫だからと言って自由に結婚どころか…恋愛もできないだなんておかしいとは思わないのですか?」



ロイの言葉がルシアに突き刺さる。


そして扉の方をチラと目をやる。


あの扉の外で、今もリューイは………




「もちろん、アノアにとって、このローハーグと同盟を結べることは大益です。ですが、私はそれを望んでいるわけじゃない。と、いうか、そんなことどうでも良いです」




ルシアの頬に手を添えてロイは、再びルシアの唇を見つめる。



「私は、ローハーグの姫が欲しいわけではない。あなた自身が欲しい」


「っ……そんな…っ…急に……」




体が熱くて、頭がふらつく。


ルシアはロイと話しながらはぁ…と深く息を吐く。




「急……まぁそうですね、出会って間もない、ですが……。でも、どうにもあなたに惹かれて堪らない」



再びルシアの唇を塞いだロイは、今度はルシアの後頭部を掴んでキスを深める。




「んっ……─────」



ルシアの口内でロイの舌が熱く絡まる。



──────────── 出会って間もない、ですが……。でも、どうにもあなたに惹かれて堪らない



その止まらない気持ちを知っているからか、ルシアは何も言い返せない。


それよりも熱烈なロイのキスの合間で息をするのに精一杯だった。





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