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† 姫と剣 †
第3章 決闘
段々と敵が近づく中、リューイは弓をしまうと今度は背中の剣を抜いてさらに馬を走らせる。
迫るリューイに、ロイの周りの囲っている兵が応戦しようと剣を抜く。
「う、うわぁぁぁぁぁ」
だが、そんな間も無くリューイは虚を突き、兵たちは馬から落ちていった。
背後からの悲鳴にロイはチッと舌を打つ。
「観念しろ」
迫るリューイは、あっという間にロイの側まで馬を寄せる。
そして、ロイの腕の中にいるルシアを確認すると、グッと歯を食いしばった。
「姫を返せ」
「………っ…」
「でないと叩きのめす」
冷淡なリューイの言葉にロイは怯むことなく馬を走らせる。
返答のないその様子にリューイは、剣を強く握る。
「王子っ……!」
背後から迫るセスに機敏に反応したリューイは、馬上で剣の持っていない手で踏ん張ると勢いよく足を後ろに上げ、セスを蹴り上げた。
「セスっ……」
落馬していくセスにロイが目をやったその瞬間、リューイは勢いよくロイの肩に剣を下ろした。
ハッとしたロイはそれを瞬時にかわすが、かわし切れずに肩に傷を追う。
「つっ……」
体勢を崩したロイは、暴れる馬から血を流して落ちていった。
「姫っ……」
「リューイ……っ」
その隙に投げ出されたルシアの腕を掴んだリューイはそのまま自身に引き寄せて、抱えるとそのまま馬を止めてルシアの事を見つめた。