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† 姫と剣 †
第4章 約束

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ベッドの上で息苦しそうに身を横たえるリューイの脇で、ルシアは体をカタカタと震わせながら祈るように両手を合わせる。




「毒が抜ければ…問題はないのですが」



医師の言葉に、ルシアのそばに立つマヤが「毒……」と繰り返す。




「ええ、ただの矢ではなく、毒矢だったようで……。矢自体の傷はそこまで深いものじゃないのですが……」



「お願いですっ……助けてくださいっ…リューイにもしものことがあったら…っ…私っ…」



震えるルシアの肩をマヤが心配そうに抱き締める。


医師も取り乱すルシアの様子を見て、ふぅと小さく息を吐いた。



「彼は若い……それに強いですから。彼自身の回復力を信じましょう」


「……っ…」



ルシアは手を伸ばして、リューイの手を握る。


側から離れて欲しいと一度は思ったが、こんな形で失いたくない。



「……ルシっ……ア…」



突然聞こえてきたリューイの声に、ルシアはハッと顔を上げる。




「リューイっ…!? 気付いたの…っ…ねぇ、リューイ!」


「うわごとのようですね」




医師の言葉に、ルシアは唇を噛む。


そしてリューイの額の脂汗を、布で拭いながら切なげに見つめた。




「無意識下でも……姫様を守っているんでしょうか」




マヤの言葉に、ルシアの目に涙が溜まる。




「夢の中くらい……ゆっくりしてよ…っ」



ゆっくり休んで、早く目を覚まして欲しい……。


ルシアはそう願いながらリューイのそばで看病を続けた。




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