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† 姫と剣 †
第4章 約束
ドアの外で考え込むルシアの隣で、マヤが興奮気味にルシアに声をかける。
「リューイのあのミサンガ、ルシア様が付けているものとそっくり!」
「………えぇ…」
「すごい偶然ですね!」
両手を合わせて、感心しているマヤとは裏腹、ルシアは首を捻る。
「本当に……偶然かしら…」
「え………?」
ルシアは、リューイが『約束』のために、ここに行くと言っていたのを思い返す。
リューイの一族、ランドルト家が母の死を境に王宮から消えたこと。
そしてミサンガ…
「繋がりそう…で、繋がらない……」
頭を抱えて、あれこれと考えを巡らせるが何も見えてこないどころか、ルシア自身に身に覚えがない。
「姫、着替えが終わりました」
扉が開いて、医師が顔を出すと、ルシアはゆっくりと中に入る。
リューイのそばに立ったルシアは、椅子に座るとリューイの額に乗る布を取って、近くにある水の入った樽の中に浸した。
「………さっきのこと教えて」
「ミサンガ……ですか」
うん、と返事をしながら、ルシアは布を絞る。
「私の足にも……同じものがついてる」
その言葉にリューイは目を見開いた。