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† 姫と剣 †
第4章 約束
「わたくし…ハラと申します…」
「わたくしは、ヤナルと申します。本日は───」
「────言葉はいらん。そばに寄れ」
言葉を遮ったロイに、ハラとヤナルは少し体を震わせたあと、軽く頭を下げてベッドの上へと乗る。
「手負の身だ。あまり動くなと医者に言われている」
「ええ、分かっております」
ハラの顎を片手で掴んだロイは、その瞳をじっと見つめる。
深緑の瞳とは程遠い、茶色い瞳。
顔もあどけなく、似ていない。
それでも、戸惑った表情に、ロイはルシアを重ねる。
「んっ……─────」
やや荒く唇を塞ぎ、ロイはハラの舌を絡め取った。
あの時無理に奪ったルシアの唇の感触を思い出しながら、ロイは徐々に興奮を高める。
もちろん、ハラはルシアのように抵抗はせずその身を任せている。
「ロイ王子……」
一方のヤナルは、布の下、少しずつ盛り上がるロイの下半身にゆっくりと触れる。
「……口に」
ハラとのキスの合間でロイがそう命令すると、ヤナルはコクりと頷いて、ロイの服の布を捲り、立派なそれに手を添えた。
美形と名高いアノアの王子の中でも、ロイは特に美しい。
そのロイに抱かれたいと切望する女は少なくない。
夜伽の相手に選ばれることは、名誉なこと。
ヤナルは、胸を高鳴らせながら、ロイのそれにゆっくりと口に含んだ。