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ハニードロップ
第2章 本物
「最近見つけた店でさー、いいだろここ」
で、何で私は芦屋くんのバーにいるのかな……?!吉村に連れて来られたお気に入りの店、こんな場末のバーだなんてそんな偶然ある……?!
芦屋くんは特に何も言わなかった。私を見て一瞬鼻で笑った気はするけど、相変わらずの無表情だ。
「あのさー、こんな場末のバーじゃなくて、居酒屋行こうよ」
「場末じゃねーわ」
私の言葉に言い返した芦屋くんを見て、吉村が驚いた顔をした。「失礼しました」と芦屋くんが吉村に謝る。私も一応お客さんなんだけどなー!!
「え、何、知り合い?」
「ううん、全然知らない人」
「お前、逃げたらしいな」
突然ぶっ込んできた……!デリケートな話題を……!
「に、逃げてなんか……!帰っただけだよ。え、何か聞いたの?」
「別に」
「やっぱ知り合いじゃん」
そうだ、一瞬吉村の存在忘れてた。吉村の前でこんな話しちゃダメじゃん。
「いや、あの、ちょっとね……」
「何、あの人セックス下手だったの?」
「な、あなた突然何を言い出すのかしら?!」
「セックス?て?」
だから吉村いるんだってば!吉村に知られちゃダメでしょ!だって、相手は三木村さんなんだから!
「ほんと、俺の気も知らねぇで男なんて連れてきやがって」
「え、何、この人お前の彼氏?」
芦屋くんが言っている意味はよく分からないけれど、吉村に勘違いされるようなことは言わないでほしい。芦屋くんと私には何の関係もない。
「おい、もう逃げんなよ」
「え?」
「ウジウジウジウジ泣き言聞かされるのはうんざりなんだよ」
「奈子ちゃん!!」
バン!と大きな音を立ててドアが開く。それと同時に焦ったような男の人の声。その声に聞き覚えがあったから、私は反射的に立ち上がった。
で、何で私は芦屋くんのバーにいるのかな……?!吉村に連れて来られたお気に入りの店、こんな場末のバーだなんてそんな偶然ある……?!
芦屋くんは特に何も言わなかった。私を見て一瞬鼻で笑った気はするけど、相変わらずの無表情だ。
「あのさー、こんな場末のバーじゃなくて、居酒屋行こうよ」
「場末じゃねーわ」
私の言葉に言い返した芦屋くんを見て、吉村が驚いた顔をした。「失礼しました」と芦屋くんが吉村に謝る。私も一応お客さんなんだけどなー!!
「え、何、知り合い?」
「ううん、全然知らない人」
「お前、逃げたらしいな」
突然ぶっ込んできた……!デリケートな話題を……!
「に、逃げてなんか……!帰っただけだよ。え、何か聞いたの?」
「別に」
「やっぱ知り合いじゃん」
そうだ、一瞬吉村の存在忘れてた。吉村の前でこんな話しちゃダメじゃん。
「いや、あの、ちょっとね……」
「何、あの人セックス下手だったの?」
「な、あなた突然何を言い出すのかしら?!」
「セックス?て?」
だから吉村いるんだってば!吉村に知られちゃダメでしょ!だって、相手は三木村さんなんだから!
「ほんと、俺の気も知らねぇで男なんて連れてきやがって」
「え、何、この人お前の彼氏?」
芦屋くんが言っている意味はよく分からないけれど、吉村に勘違いされるようなことは言わないでほしい。芦屋くんと私には何の関係もない。
「おい、もう逃げんなよ」
「え?」
「ウジウジウジウジ泣き言聞かされるのはうんざりなんだよ」
「奈子ちゃん!!」
バン!と大きな音を立ててドアが開く。それと同時に焦ったような男の人の声。その声に聞き覚えがあったから、私は反射的に立ち上がった。