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ハニードロップ
第2章 本物

「奈子ちゃん、奈子ちゃん……」
「え、三木村博也じゃん!お前知り合い?」

 息を切らした三木村さんは眉を下げて私の前に歩いてくる。名前……忘れられてなかった……

「何で……、俺、奈子ちゃんに嫌なことした?」

 とっても悲しそうな顔をするから、まるで、三木村さんも私に会いたかったのかって……

「俺がしつこかったから?奈子ちゃん、気持ちよくて死んじゃうって言ってたのに、いっぱいイかせちゃったから?」
「み、三木村さん?」

 とてつもなく恥ずかしいこと言ってる自覚ある?芦屋くんが軽蔑するような目で見てる!!気付いて!!

「潮いっぱい噴かせちゃったから?奈子ちゃん辛そうだったのに、最後までしちゃったから?一瞬生で挿れちゃったから?勃起しすぎててキモかった?」
「め、めちゃくちゃ恥ずかしいからその辺で勘弁してください……」

 手で顔を隠す。もう芦屋くんと吉村の顔見れない……。

「俺、ホテルで待っててって言ったよね?仕事終わって急いで帰ったら、奈子ちゃん帰っちゃってたから……、俺、相当嫌なことしたのかなって」
「ホテルで、待ってて……?」

 そんなこと言われた記憶がない。
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