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ハニードロップ
第3章 信じて
「三木村さん、どうしたの……?」

 しばらく動かない三木村さんにちょっと不安になって、聞いてみる。もしかして、口の中で出すの嫌だったかな……?

「奈子ちゃん……」
「なに?」
「不味いもの飲ませて申し訳ないと思うと同時に、奈子ちゃんの身体の中に俺の体液が入ったと思うとめちゃくちゃ興奮する」
「っ、え、」
「もう挿れたい」

 三木村さんは、バスタオルを引いてその場に私を押し倒す。ようやく見えた顔はいつもよりかなり余裕がなさそうで。いつも私を指や舌でとろとろのどろどろにしてからようやく繋がるから、少し驚いた。でも、受け入れたいと思った。

「挿れたい、生で挿れて、奈子ちゃんの中直接感じて、奈子ちゃんの奥の奥で出したい」

 今日は本当に余裕がなさそうだ……。さっき出したばかりなのに既にビキビキと脈打っているそれ。苦しそうなほど。

「挿れ、てみる……?」

 お互いの仕事のこととか、色々。考えなきゃいけないことはいっぱいあって、簡単に結論を出しちゃいけないこと。……でも、でもね。ふたりなら乗り越えられるんじゃないかって、そんな風に思える、けど。
 三木村さんは硬かった表情を、ふっと崩した。ようやく優しい顔になって、私の頭を撫でる。

「ありがとう、奈子ちゃん」
「うん……?」
「我慢する。だって奈子ちゃんを傷付けるわけにいかないもんね」
「三木村さん……」
「奈子ちゃんのことすっげー好きだから奈子ちゃんの全部欲しいって思うけど、反対にすっげー好きだからこそめちゃくちゃ大事にしたいんだ」
「うん……、私もそうだよ」
「よく考えたら今日は奈子ちゃんのこと全然イかせてないし、セックスは俺だけ気持ちよくなっても意味ないもんね」

 別にいいのになぁと思った。いつも私ばっかり気持ち良くなってるから、三木村さんだけが気持ち良くなる日もあっていいのに。

「今度、私が三木村さんに気持ちいいことばっかりする日作ろ」
「えっ」
「その日は三木村さん何もしないの。私がいーっぱい三木村さんを気持ち良くするの」
「そんな天国あっていいんですか」
「ふふ。だから今日は、ふたりでいっぱい気持ち良くなろ」
「っ、うん……」
「研究しとくね」

 ぎゅっと抱き合う。抱き合ったままいっぱいキスをして、互いに触れる。触れ合うことがこんなに気持ちいいこと、三木村さんに出会って初めて知ったから。
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