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悪魔から愛されて
第22章 新たに動き出す
お昼近くになり、京子からメールが来た。
京子のランチ前のメールはとても懐かしく感じる。
“今日は駅の近くのイタリアンにしませんか?”
“もちろん、OKです。楽しみです。”
駅の近くのイタリアンは、以前に京子とよく行っていた場所だ。
「鈴木さん。ここはトマトソースのパスタが人気なんですよ。私も迷うな、うーーーん、どれにしようかな…」
…京子、ここのパスタ美味しいよね…知ってるよ…
「では、西条さんのお勧めのトマトソースのパスタにします。」
…私は記憶から消えても、すべて失ったわけじゃないんだ…
「あの…鈴木さん、よかったら私は京子でいいですよ…同じ年だしね…」
「西条さん、では私は恵美でお願いします。」
「では…恵美!」
「京子!」
「なんか…不思議なんだけど…恵美って呼ぶのが、すごくしっくりくるんだよね…前から読んでたみたいだよ…」
…うん…そうだよ…京子…
ランチの帰り道、後ろから誰かに肩を叩かれた…
「…早乙女さん…!!」
京子は急に現れたイケメンに、驚いている…
すかざず、可愛い笑顔を作るのは京子の得意技…
…そうか…京子は早乙女さんも覚えてないんだ…
「早乙女さん、今日は会社に用事ですか?」
「うん。先日の事件の時、犯人を罰してくれたら、契約する約束だからね…
…隣の美人さんは…?」
…さすが…早乙女さん…女心がわかる…
「あっ、同じ営業部の西条京子さんです…」
「西条さん、早乙女といいます…よろしくね…じゃあ、僕は先に行くね…」
早乙女さんが去ったあと、思った通りの京子の反応だ…
私は思わずクスッと笑ってしまった…
「め…恵美…今の人…誰…?すごいイケメン…」