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悪魔から愛されて
第20章 新しい世界
朝のミーティングが終わると、京子が話しかけて来た。
「はじめまして…私は西条京子と申します。よろしくお願いします。鈴木さんと私、同じ年なんです。仲良くしてくださいね…それと…噂なんですけど…鈴木さん龍崎部長の婚約者なんですよね…?それでこちらに転勤になったと聞いています。」
さすが京子だ…情報が早い
…でも…
…覚えてないんだ…
「西条さん、よろしくお願いします。噂は本当ですが、もうご存じなんですね…」
京子はクスッと笑った…
「やっぱり本当なんですね…きっと会社中の女性が、がっかりしていると思います…でも鈴木さんなら納得です。とてもお似合いです…。」
「ありがとう…ございます…」
マネージャーは丁寧に仕事の説明をしてくれる…
解っているのに…申し訳なく思う…
「鈴木さん、すごいね…一度の説明で覚えちゃうなんて…」
…それは…私がやっていた仕事ですから…
お昼になり、ランチに行こうとしたとき、可愛いい女性が営業部に走って来た。
その行き先は…
健斗…
「ねぇ健斗…今日の帰りに寄りたいところがあるんだ…」
もしかしたら…
健斗の…彼女…
そして…遠くからでも光っている、薬指のリング…
“あの指輪は健斗が私にくれたものに似てる…”
私は思わず二人を見つめていたようだ…
その姿を見てマネージャーが私に説明してくれた。
「あの男性は高山くんで、その横の女性は彼女ですよ。もうすぐ結婚するようで、羨ましいなぁ。」
…健斗の彼女…結婚…
「…そ…そう…なんですね。とても仲良さそうで…素敵なお二人ですね…」
たぶん…私の笑顔は、ひきつっている…