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異世界転生しなくても美女とハーレム
第4章 高校時代の委員長
「なあ田中、委員長って、相変わらずだな 笑」

滝川が私に耳打ちする。その時。

「ちょっと、滝川君、 静かに並んでいて。 他にもお客さんが居るのよ。 直ぐに終わらせたいの」

注意されて、滝川が苦笑いしながら肩をすくめた。

「こんな、整列させるまでもないのにな」と小声の滝川。


今日集まった十五人のうち、男は私と滝川、そして新庄の三人だけだった。他は女子だ。

新庄はサッカー部のエースで、学園ドラマには必ず出てくる典型的なイケメン。中年になった今でも、イケメンぶりは健在だ。


「それにしても、男子が三人とは寂しいな」

新庄は残念がったが、こんなハーレムを楽しまない手はない。私の心を邪な気持ちが侵食していく。


「皆さん、それぞれの部屋へ荷物を置いて、先にお風呂に行ってください」

「今日はね、露天風呂を二時間、貸し切っているのよ」
絹絵がいつの間にか私の横にいた。

「へ~、たしか露天風呂って混浴なんだよな。 じゃあ、皆で混浴するか~」

滝川が鼻の下を伸ばしていると、香織がピシャリと言い放った。

「そんなふしだらな事、よく言えるわね」

目が、氷のように冷たく、またしても滝川が肩をすくめる。


「ホテルにお願いして、私たちのために貸し切りにしてもらったの、先に男子が一時間入って、次に女子が一時間入ります」

「委員長、それじゃ混浴の意味がないんじゃないか?」
私が声をかけると、香織は眉をひそめながら、私を睨んだ。

「田中君、皆、それぞれ家庭をもって子供も居るの、それが混浴だなんて、私は容認できません」

「あ、俺、まだ独身~」

滝川がふざけた声を出すが、香織は無視をして続ける。

「どうせ、田中君のことだから。イヤラシイことでも考えてるんでしょう。 でも、ちゃんと節度を持っていただくわ」

「はい、はい、委員長様」

「『はい』は一回にして!」


「まあ、まあ、委員長も、一夏も、久しぶりに会ったのに、喧嘩しないの」

絹絵が間に割って入って、ひとまずこの場は治まったが、私はいつになく感情が揺らいでいた。


香織は、誰にでも厳しいのだが、特に私への態度は辛辣だった。それが高校時代から変わっていない。




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