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桃衣の天使
第2章 ピンクな面会
 誰か知らないが暇潰しにはなる。
 「どうぞ!」
 返事をするが誰も入ってこない。?空耳だったか?
 暫く待っていると再びノック。やはり空耳ではなさそうだ。
 「動けないんで勝手に入ってください。」
 蒼馬老や母さんは返事を待たずに入って来たから忘れていたがこの部屋が完全防音だった事を思い出しドア外に繋がるインターフォンのボタンを押す。
 「どうぞ入って下さい。」
 入って来たのはよく知った顔だった。櫻木愛花。うちのクラスの学級委員長様だ。品行方正、成績優秀、才色兼備、文武両道、良妻賢母。考えられる美辞麗句全てが当てはまる少女漫画のヒロインが憧れる御姉様と言えばなんとなく想像が出来るだろうか?言葉は悪いが八方美人なこの委員長に珍しく嫌われているのがこの俺横川当麻だ。ご立派な委員長様には粗野で貧乏たらしく時折肉体言語を使う俺が許せないらしい。当然俺もこの女が嫌いだ。自分を毛嫌いしている相手を好きでいられる聖人君子だったら端から毛嫌いされることすらなかったろう。どうせ今日もクラス代表のお仕事で見舞いにでも来たのだろう。委員長の仕事とはいえ本当に御苦労なことだ。
 ここに来るのは本意ではないのだろう。ドアの前に立ったまま動こうともしない。
 「態々見舞いに来てくれたのか?」
 返事はない。能面みたいな無表情で突っ立ってる。
 「意に沿わぬお勤め御苦労さん。担任には丁寧に見舞って貰ったってメールしとくから帰っていいよ。」
 ここまで言っても一言も発しないし動こうととしない。田中の案山子・・・は流石に言いすぎか?洋服屋のマネキンじゃあるまいし何がしたいのやら?
 「委員長、あんた何しに来たんだよ?」
 掠れた声を絞り出した委員長の返事に耳を疑う。
 「悪い。もう一度言ってくれるか?」
 俺の問いに唾を飲み込み先程より大きくハッキリした声で答える。
 「蒼馬会長に言われてお世話をしに来ました。」
 蒼馬老に言われてって例の看護婦だけじゃ足りないだろう云々ってやつか?
 俺断ったよな?
 断りきれなかったにしても何で委員長なんだ?
 いやいや、俺の想像が突飛もないだけで宿題の手伝いとかそういう世話かもしれない。うん、そうに違いない。
 「蒼馬老にはなんて言われたの?」
 一応の確認だ。
 「今後横川様の命令には全て従うように言われてます。」
 
 
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