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不倫研究サークル
第4章 生意気なJC
『ねえ、ねえ、あそこ。女の子を泣かせてない?』

『え、どこ? あ、ホント』

『サイテー、なに、あの不釣り合いなカップル』

『クズだわ、クズ』



僕がパニックに陥っていると、少し離れたところから聞こえよがしに女子学生の会話が聞こえてきた。


(いや、ちょっと待ってください! 僕にもよく分からないんですーー)


と、弁明したいところだが、先ずは目の前で発生している異常事態を収拾させなければならない。


「あ……の、小梢、だ、大丈夫?」

「ごめんなさい、変だよね。泣いたりして 笑」

確かに、小梢の反応は不可思議だ。
嬉しさの余りと言っても不自然さを感じた。


「うん! もう大丈夫! 日曜日、楽しみにしてる。 プランは任せたね」

小梢は涙をぬぐうと、口元をキリっとさせ元気よく返事をしてくれた。


こうして……、
僕の人生初のデートの約束を取り付けることができた。



僕が目指すイチャラブなキャンパスライフへ、大きな一歩を踏み出せた気がした。

それも、相手は誰もが振り向くS級美少女だ。これ以上ない展開ではないか。
日曜日、デートの最中に『正式に恋人になってください』と言おう。

今の僕ならできるはずだ。そうだ! 僕はできるヤツなんだ。


自分を鼓舞したが、一つだけ引っかかることがあった。



先ほどの小梢の涙……、
それは以前から感じていた彼女への違和感と関連があるように思えた。


だけど、もう僕は気持ちにブレーキをかけない。



 僕は、小梢が好きだ。




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