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新・性生活
第9章 舞子の絶望。
そういえば・・娘とあの女はどんな話をしてるのかな。

昨日のことを思い出すと私は本当に一人になるかも。あの女に娘まで連れていかれるかも。

イヤだ!!

一人にはなりたくないよ・・・
私だけずっとひとりぼっちだったの?
教えてよ!!
こんなの嘘よ・・・
ひどい、ひどすぎる・・・
私を一人にしないで。


悲しいオーラに包まれたものをシャワーで洗い流す。だけど流してもまた涙が流れてくる。赤くはれた目で抜け落ちたオーラから人の気配が消えて空気のような存在になってる。

娘が見たら何て思うんだろう。

そう思うと母親としての自分を取り戻せた。

信じよう・・

まだはっきりとわかったことじゃない。だから自分の妄想だけでこんなに泣いてはいけない。ちゃんと娘に母親としての自分を見せないと。

しっかりしないとあの女に笑われる。


「ただいま」

「おかえりなさい」

娘が少し止まったようにみえた。

いつも通り振る舞い、二人で夕食を食べる。でも舞子の心は脱け殻のままだった。

旦那の帰りを待つ娘を見ていたら一人になることなんてない。私の娘は私を大切に思ってくれてる。信じよう・・。

旦那と二人ではしゃぐ姿、冷めたご飯を食べる旦那の姿。

これもダメだったのかな・・毎日冷めたご飯食べさせてた。ごめんね。

水道から出る湯気を見ていると結婚当初の暖かいご飯を二人で食べていたころや、出産の時、ふたりで喜びながら一緒に泣いたこと。付き合い始めた時の若い旦那。思い出すとまた泣いてしまった。

いけない。もう泣かないって決めたの。


旦那は風呂に入っていった。

「ママお休み・・・」

「おやすみ」

その声と私を見て娘は何を思ったのだろうか?こんなに近くいるのになんだかすごく遠くに娘がいるように感じた。
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