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秘蜜のバイト始めました
第2章 え? ナマでするの?
「紗栄子ちゃ~ん、僕は滝本さんと少し話があるから、後でそっちに行くね」

「社長、控室は鍵をかけますから、のぞき見できませんよ」

「あれれ、モモちゃん、僕はそんなことしないよ~」

私はペコリと頭を下げると、杏果と連れ立っていった。


撮影に使った部屋を出ると、ロングのTシャツにジーンズと言ったラフな格好の海が、男優兼スタッフの控室から出てきた。


(やっぱり、カッコイイ~)

私の中で、海は『イヤなヤツ』から『イイ男』に変わっていた。

私は胸の高まりを抑えきれず、海へ駆け寄る。



「ねえ、海、私たちの今後の事なんだけど」

「今後の事?」



「うん、さっき好きって言ってくれたじゃん」

「はあ? おまえ、馬鹿?」

「へ?」




「あれは、演技だよ、おまえに感情移入してもらうための」


(えええーーー、あれって、嘘だったの?)


「な、なによ、その気にさせといて、いまさら嘘だなんて」


不満げな私に、海は近づきポンと頭に手を乗せた。



「わりぃ、でも、おまえ良かったよ、頑張ったな」

胸の奥がキュンとしまる思いがした。



「ま、また会える?」

「さあな」


海はそう言うと、後ろ手に振って、去っていった。




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