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ご褒美のあとは
第3章 カードゲーム
高志先輩の膝に手をついて頭を起こすけれど、視界がぐるぐると回ってまたもたれかかった。

「ごめんなさい…、」

かろうじて発した声が、頭の中で反響する。

「ババ抜き、出来そうにないな。また今度にするか」

残念そうに呟く充輝先輩の声だけが、はっきりと聞えた。

「で、できます」

高志先輩に抱きしめてもらいながら、なんとか首を巡らせて充輝先輩を見つめる。

返事はなかった。
充輝先輩も豊先輩も、固まってしまったみたいに動かない。


……?


二人とも私を見ているのは確かだと思うのだけれど、視界が滲んでしまってよく分からない。


もしかして、またがったりさせちゃってるのかな?
お願いを聞くって約束したのに、台無しになりそうだから……


胸が軋むように息苦しくなって、高志先輩にしがみつきながらきゅっと唇を噛みしめた。
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