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ご褒美のあとは
第3章 カードゲーム
「その格好も可愛いけど、風邪ひいちゃうよ」

高志先輩が剥き出しの感情をごまかそうともせずに囁いた。

けれど、触れてくる手はとても優しくて、くしゃくしゃになった浴衣を肩にかぶせて、前もしっかりと隠してくれる。
しわをひとつひとつ払うように生地を撫で伸ばし、捲れた裾も丁寧に整えていく。

「罰ゲーム、誰から?高志?」

私の足先をマッサージしながら、豊先輩が尋ねる。

「高志…だな」

反対側の足首を撫でながら、充輝先輩が答える。

息苦しくて、けれどとても気持ち良くて、先輩たちが触れたところから電流が走り、駆け抜ける快感に力が抜けていった。

高志先輩は私を押し潰さないように気をつけながら前屈みになって、何かを手に取った。

「…キスマークつけてもらう、だって」

逞しい腕が私を包み込んで、ゆっくりと持ち上げられる。

「ここが、いいな」

重く下がってくる瞼の向こうに、浮きあがった鎖骨が見えた。
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