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ご褒美のあとは
第3章 カードゲーム
「ぬ、げ…ちゃう……」

体が熱くて、少し汗ばんでいるし、本当は帯も外して楽な格好になりたいけれど、そうしたら浴衣が完全に脱げてしまう気がした。

「脱げないよ。他にも紐使ったでしょ?」

充輝先輩は優しく諭すように言いながら、飾りが前に来るようにくるりと帯を動かす。
あっという間に外されてしまったけれど、先輩が言うとおり浴衣は脱げなかった。

「ほら、ね?」

「…うん、」

頷きながら自分の体を見下ろして……

「や…ぁっ」

慌てて前を隠す。

そ、そうだ、これ…スケスケッ!

首を竦めてうずくまった拍子にバランスを崩してしまい、ズルズルと高志先輩の膝に倒れ込んだ。
捲れ上がってしまった裾を直したいけれど、そうしたら胸元から手を離さなきゃいけない。でも、このままじゃ足は見えたまま。

どう…しよう……っ

ど…、うしたら……

足を擦り寄せて、燃えるように上気していく体を必死になって覆い隠す。
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