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ご褒美のあとは
第3章 カードゲーム
「先にお風呂にするか」

高志先輩の言葉にドキリとしたら、充輝先輩に艶めかしく笑われた。
けれどこの間みたいに一緒に入ることはなくて、シャワーを浴びながらドアを気にしていても、誰かが乱入してくる気配はない。

何もなかった。


………、


もちろん何もなくて良かったんだけれどっっ

……良かったはずなのに、ちょっともやもやしてしまう。

「気のせい…だよ」

自分に言い聞かせながらドライヤーで髪を乾かして、籠の中に納まっている浴衣一式を見やった。
豊先輩に「これ着てっ」って言われたのに、何をどう着たら良いのか分からない。

一番上に置いてあるのは、紐が二本と、それよりも少し太い紐が一本。
それから、もっと太い包帯みたいな…もしかして、これってサラシなのかな?長い布が一枚。

それと、スケスケの産着みたいなもの。

ショーツも、その代わりになるようなものも、

……ない。
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