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体育倉庫のハイエナ
第52章 52
四人の男達がそれぞれ下着を履き、また制服を着ながら、談笑に花を咲かせている。
話題の中心は、最近ある海外メーカーが発売したバイクの、その性能についてだ。
そのバイクに対しての評価はそれぞれで、意見も対立しているようだったけど、四人とも楽しそうであることには変わりなかった。
そんな楽しそうな四人の、傍らにあるマットの上では、全裸の奈津子が”死んだ羊”のように、仰向けに転がっている。
今もなお奈津子は、白目を剥いている上に、鼻の下をだらしなく伸ばして、さらには顎を落として口を大きく開けていた。
その下がった下唇の上には、まるで誰かをからかうようにダラリと出した舌が、のっている。
そんな奈津子の姿は、哀れと言うより他なかった。
しかしながら、四人の男達は誰も、もう奈津子に関心を払わなかった――今の四人の関心はやはり、バイクにあるみたいだ。
やがて帰りの身支度を整え終えた四人は、やはりバイクについて語り合い、楽しそうに笑いながら、体育倉庫を後にした。
その際、四人のうち三人は、僕にも奈津子にも挨拶はおろか、一瞥さえくれなかったが、最後に出て行ったヒデアキだけが、僕にこう言った。
「ヨシタカ、“後始末”ちゃんとしとけよ」
ヒデアキの言う“後始末”とは、僕が最初に引き千切った奈津子の制服の、その残骸を全て処分して、この悪行の痕跡をきれいに消すことだ。
僕はヒデアキに頷いた。
するとヒデアキは、やはり挨拶をすることもなく、体育倉庫を出て行った。
話題の中心は、最近ある海外メーカーが発売したバイクの、その性能についてだ。
そのバイクに対しての評価はそれぞれで、意見も対立しているようだったけど、四人とも楽しそうであることには変わりなかった。
そんな楽しそうな四人の、傍らにあるマットの上では、全裸の奈津子が”死んだ羊”のように、仰向けに転がっている。
今もなお奈津子は、白目を剥いている上に、鼻の下をだらしなく伸ばして、さらには顎を落として口を大きく開けていた。
その下がった下唇の上には、まるで誰かをからかうようにダラリと出した舌が、のっている。
そんな奈津子の姿は、哀れと言うより他なかった。
しかしながら、四人の男達は誰も、もう奈津子に関心を払わなかった――今の四人の関心はやはり、バイクにあるみたいだ。
やがて帰りの身支度を整え終えた四人は、やはりバイクについて語り合い、楽しそうに笑いながら、体育倉庫を後にした。
その際、四人のうち三人は、僕にも奈津子にも挨拶はおろか、一瞥さえくれなかったが、最後に出て行ったヒデアキだけが、僕にこう言った。
「ヨシタカ、“後始末”ちゃんとしとけよ」
ヒデアキの言う“後始末”とは、僕が最初に引き千切った奈津子の制服の、その残骸を全て処分して、この悪行の痕跡をきれいに消すことだ。
僕はヒデアキに頷いた。
するとヒデアキは、やはり挨拶をすることもなく、体育倉庫を出て行った。