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体育倉庫のハイエナ
第8章 8
 そこで奈津子は”ようやく”声を荒げて、この二人の人間性に対する、非難を始めた。

 ついに奈津子が『キレた』のだ。
 
「二人とも、ひどいですッ!ひどすきますッッ!…どうしてそこまで、意地悪なことが出来るんですか!?」

 それは本当に”ようやく”(と言うか、”今さら”)といった感じだった。

 本当だったら、もっと早くに始めてもおかしくなかったはずだ。

 けど、奈津子の生まれながらの人の好さと、この二人が奈津子にとっては先輩であることが、二人に対する非難をここまで押し留めたのだと思う。

 しかしここでも二人は、奈津子の真剣な怒りの声に、耳を貸さなかった――奈津子が言い終わるよりも先に、二人は愛撫を再開した。

「私が二人に、何かしたっていうんですか!?…してないですよね!?それなのに、こんなひどいことして、自分たちのこと、恥ずかしいと思わ――――あんっ!」

 だから奈津子の強い非難も、最後まで到達する前に、弾けるような喘ぎ声で締め括られた。

 それから奈津子はまた、甘ったるい響きの喘ぎを、体を震わせて漏らし始める。

「あっ…あぁ、ぁあぁぁ…あんっ…あぁ、うんっ…はぁぁ…あんっ、う、うぅん…」

 そんな奈津子をやがてマサムネが促した。

「ほら…まだ12回、残ってるぞ…」

「あぁぁ…オマ×コぉぉぉ…オマ×コぉぉ、うぅん、あ、んっ…オマ×コぉぉぉ…」

     ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 

 それから残り十二回の“オマ×コ”を、奈津子は甘い響きを端々に湛えながら、とても悲しそうに――さすがの僕でも、ちょっと可哀想になるくらい悲しそうに――口にした。

 一体、何がそんなに悲しいのか、僕は思いを巡らせてみる。

 この屈辱に晒されていること、それ自体かも知れない。

 あるいは屈辱に晒されながらも感じてしまう、自身の破廉恥な肉体が悲しかったのかも知れない。
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