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体育倉庫のハイエナ
第9章 9
 案の定、そこでレンヤとマサムネが、パンティを下ろす指先を、一旦止めた。

 然る間に二人は、いよいよ集中的な肛門の観察に及んだ。

 二人が残酷なのは、その詳細を奈津子に逐一、伝えることだ。

 まずはレンヤが、奈津子に尋ねた。

「奈津子ちゃんは、自分のお尻の穴を見たことがある?」

「ありませんっ!」

 奈津子がそう答えると、レンヤは間髪入れず、奈津子に返した。

「じゃあ、教えてあげるよ…」

 それからレンヤは、自身が目にした観察の結果を、詳らかに述べた。

「奈津子ちゃんのお尻の穴はね…色は、紅茶の色に似てるよ…深い赤って言えばいいのかな…?それで…いっぱい皺があるよ。皺の数は…」

「そ、そんなの聞きたくありませんッ!」

 当然のことだけど、奈津子は詳細を語られるのを嫌がった。

「いやっ!いやいやっ!…いやっ!」

 それから奈津子は、自分の声でレンヤの声を掻き消したいかのように、『いや』を繰り返して、やがてもう一度、レンヤに訴えた。

「お願いだから、“そこ”は見ないでッ!恥ずかしすぎるからッ!」

 するとマサムネが、この哀訴を悪意的に解釈して、奈津子に聞いた。

「『“そこ”は見ないで』ってことは、どこなら見てもいいんだ?」
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