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体育倉庫のハイエナ
第11章 11
 それから――なおも乳首をくすぐるレンヤの指先に合わせて、体を小刻みに震わせて悶えつつ――図らずも迎えた“ファーストキス”の感想を、語った。 

「レ、レンヤ先輩のキスっ…と、とっても素敵でしたぁぁ……ああぁ、あぁぁあぁ…わ、私、知らなかったんですっ……キ、キスが…こんなにも、感じるものだってこと、知らなかったぁぁぁんですっ……あぁぁ…キスだけで、こ、こんなにも、カラダが熱くなっちゃうなんて…キスだけで、あぁぁ、こんなにも、濡れちゃうなんて……ああぁあぁぁ……あぁぁ…」

 そんな感想を聞いたレンヤは、ウットリするほど――傍で見ていた男の僕ですらウットリするほど――優しい微笑みを浮かべて、奈津子に囁いた。

「奈津子ちゃんがそこまで感じてくれたなんて、俺、ヤバいくらい嬉しいよ…」
 
 それからレンヤは、さっき苦言を呈したマサムネに向かって、言った。

「マサムネ、俺の顔に免じて、奈津子ちゃんのこと許してやってくれよ…」

 そしてレンヤは、悶える奈津子の顔を真横にして、こう付け加えた。

「俺、奈津子ちゃんのこと、ちょっとマジで好きになりかけてる…」

 果たしてこの言葉を、奈津子がどのような心境で聞いていたのか、僕にはやっぱり分からない。

 ただ確実に言えるのは、この時もなお奈津子の目は”とろろろ~~ん”としているということと、奈津子を待っているのは”地獄”ということだけ。

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