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体育倉庫のハイエナ
第14章 14
 こうして、肛門へのキスが互いの愛情を確かめ合う行為であることを確かめた後には、レンヤがまた肛門に口づけしても、奈津子はもう嫌がらなかった。

 それどころか、心地良さそうな吐息にのせた、妙に間延びする甘ったるい声で、レンヤに対して感謝の言葉を口にした。

「レンヤ先輩、ありがとうございますぅぅ…ハァァァン……まさか、お尻の穴にまで――あぁぁんっ――…キスしてもらえるとは、思ってませんでした…ハァァァ――あぁぁん…あぁぁ…――ァァァン…――私、今、すっごく、すっごく――あぁ、うぅぅん――嬉しいぃぃ…ハァァァ…」

 そこでまた、マサムネが鼻で笑った。僕も鼻で笑った。

 確か今日、レンヤがマサムネと最初に、四つん這いになった奈津子の肛門を眺めた時、奈津子は泣きながら、肛門を見ないよう訴えた筈だった。

 奈津子はその事実を、それほど遠い過去に起きたことでもないその事実を、もうすっかり忘れてしまったんだろう。

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『恋の病』、『恋は盲目』等々、恋の狂気染みた側面に触れる言い回しは数々あるけれど、やはりレンヤに恋をした奈津子は、確かに少し狂気染みている。

 肛門を舐められて『嬉しい』などとの給うなんて―――。

 付け加えるなら、二人の真横には、マットのすぐ傍らには僕とマサムネがいるのに――きっと今の奈津子の幼気な瞳には、レンヤしか映っていないんだろう。

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