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体育倉庫のハイエナ
第2章 2
 ここで、少しだけ僕自身について紹介させてもらうと、僕はレンヤやマサムネのような、“ヤンキー”じゃない。

 タバコは吸ったことはないし、酒も飲んだことはない。もちろん、シンナーだってやったことはない。

 貧弱な体つきの僕は、ケンカはからっきし弱い。恐喝”カツアゲ”は、もっぱらする方じゃなくてされる方だ。

 そんな僕は、間違ってもレンヤやマサムネの、友達じゃない。
  
     ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 

 僕達の関係は、簡単に言うなら、僕は彼らの”パシリ”、”手下”だ。
 
 あるいは”奴隷”と言ったほうが、より相応しいかも知れない。
 
 もちろん、『僕は彼らの奴隷』みたいな言い方をしたら、多くの人は僕を憐れむか、あるいは僕達の、決して健全とは言えない歪んだ関係に、眉を顰めるだろうことを、僕は知っている。
 
 でも、誓って言うけど、僕は今の自分の位置を不満には思っていない。
 
 何故なら、もしも”奴隷”の位置を拒否したら、気弱で根暗な僕は途端に”イジメられっ子”に転落してしまうだろうから。

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