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イキ狂う敏腕社長秘書
第7章 【妬み、汗、涙】






エレベーターが階に止まる音。
開いた扉から乗り込む1人の男性。
パソコンを持ち、今から会議…といったところだろうか。




「お疲れ様です」




中に居た私から声をかけ軽く会釈すると同時に扉は閉まる。
彼は無言で降りる階のボタンを押した。
ゆっくり動き出すエレベーター内で迫りくる身体。




顔を上げるとそのまま顎クイされて壁側でキス。
会話らしい会話もなくいきなり始まるのだ。
それもたった数秒間。
途中で誰かが乗ってくればそこで終わり。




しかし、役員会議となれば使用する人は限られてくるので誰かと遭遇するケースはあまりなく、目的の階まで止まらず直行出来る。




だから大胆にもこんなキスをしてくる人物とは………




唇が離れて熱い吐息が漏れる2人。




「やっと2人きりになれた…」




強引なのに甘い声。
一度は寝たが変わらずこうして私を所有物ぶる行動に出るのはいけすかないかな。




「急にごめん、顔見たら我慢出来なくなった」




「別に良いですけど、私は永田課長のモノにはなれませんよ?誰ともお付き合いするつもりはないので」




「ああ、わかってる」




はっきり断り続けるもこうして繋がりを持とうとする姿勢には驚かされている。
硬派だったあの永田課長がまさかこれほど女々しい人だったとは。
お願いですからストーカーだけにはならないでくださいね。




「本当にわかってます?」




もうじき着いてしまうのは目で見て理解しているが、あまり冷たすぎる態度もどうかと思うので。




「うん、でもこうしてキスはしたい……ダメか?ダメだよな」




ダメです…って言っても引き下がらないくせに。
たまに自分責めたフリしてこっちの感情くすぐってきますよね。
それも罠だと知りながら引っ掛かってあげるんです。




ネクタイを引き寄せ私からもキスをする。




「でもエレベーターのシチュは燃えますね…?」




階に到着した音と共に身体を離す。
扉が開いてお互い真逆の方向へと進んでいく。
後ほど始まる役員による定例会議に私も社長と同じく出席するのだ。













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