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イキ狂う敏腕社長秘書
第9章 【孤独の先にあるもの】
「今度また来ても良いですか?」
「良いけど、仕事で遅くなることもあるからメールしてね」
「はい…!あと、会社では今まで通りの接し方ですよね?」
「うん、秘書してるから色々と我慢させちゃう事もあるけどごめんね?」
「いえ、何か秘密の共有って感じでドキドキします」
「顔に出しちゃダメだよ?冷静に見えても内心は湊くんに会えて凄く嬉しいんだよ、冷たく見られがちだけど」
「わかりました、2人きりの時に思いきり甘えます」
「私も甘えさせてね?」
そう言うと彼の方からまたキスが返ってきた。
たどたどしいキスもたまには悪くない。
満足気に帰って行く彼を見えなくなるまで手を振り続けた。
私にまだこんな純情な部分があったんだ。
抱かれている時は本気。
幕が降りてしまえば魔法は解ける。
そうなれば無性に虚しくなって、本当に何も残らない気がした。
突然襲いかかる空虚感に恐ろしくなるけどもう慣れなければならないところまで達している。
自分の手で選んだ道なのだ。
遅かれ早かれどのみち私は独りなのだから。
寂しがるなんて痴がましい。
始めからそうなる事を知っていただろう。
今さら気付いたなど喚いても遅過ぎる。
どうしたらこの溝は埋まるのか。
本物の愛などこの世に存在すらしないのではないかと。
だから諦めたていで薄っぺらい愛に妥協する。
自分の存在意義を主張する為に身を削るだけなのだ。
それが武器だと勘違いしながら溺れているのは自分だと気付いた時にはきっと何も残っていないだろう。
怖い……?怖いよ。
無心になればなるほど傷が増えてるんだもん。
震える膝を抱えて苦痛の時を過ごすの。
きっともう何も感じない。
ただ息してるだけ。
それでもそれなりに着飾って、自分を押し殺し誰かを甘い蜜で誘って翻弄する。
ねぇ、イかせてくれるんでしょ?
がむしゃらに抱いてよ。
演技は一切しないから、骨の髄までイかせて。
下手な人と2度目はないの。
要は私の身体が悦ぶかどうか。
試してみる…?
今日もまた誰か引っ掛かる。
身体が疼いて仕方ないです。
社長秘書という肩書きの裏で、ド淫乱な私。
裏の顔、見てみますか…?
きっと良い仕事してみせますよ。