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イキ狂う敏腕社長秘書
第12章 【愛の循環】
「ごめんなさい……朝帰りさせちゃいましたね」
何て言い訳するの…?
明里さんにはまだ私からも報告出来てない。
「いいんだ、俺が勝手にした事だから美雨は気にしなくていい」
「でも……私たちの関係がバレたら、もう一緒には居られないですよね?」
辞職が脳裏にチラついた。
完全に社長の前からは消えなければ…と思う。
そう考えただけで胸の奥が痛む。
「バカ……俺が美雨を手放す訳ないだろ」
「けどどうやったって叩かれるのは私たちじゃないですか」
紛れもない不倫関係なんだから。
私は姿を消したとしても社長にはずっとその事実は付き纏う。
一生、明里さんに頭が上がらなくなる人生なんて歩んで欲しくない。
「美雨、これだけは信じて?俺の美雨を思う気持ちは変わらない、美雨以上に思える人は居ない…絶対に」
わかってる。
わかってるからこそ時々怖いくらい不安が襲う。
あなたを壊してしまうんじゃないかって。
結末は見えてるの。
ただ、どんな風にあなたに伝わるのか。
私を手放すどころか失うの。
ある日、突然に。
それはいつになるのか私もわからない。
「私もです……忠之さん」
甘い蜜を垂れこぼして与える。
このキスが最後にならないでと噛み締めながら舌を絡ませるの。
私もいつか、封印しなければならない日がくる。
もう近いかな………まだ先かな…………
「ずっとずっと……俺だけの美雨で居ろよ?」
「はい……」
上手く蕩け合うこのキスがずっと続けばいい。
心底そう思ったんだよ。
あなたに愛されて後悔はしていない。
同じ未来は過ごせないけど、今の幸せは一生残ると思う。
それほど深く骨の髄まで浸透してるんだよ。
悔いが残らないよう愛し尽くしてあげるね。
私の身体……忘れないで。