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イキ狂う敏腕社長秘書
第12章 【愛の循環】







(会いたい、もう限界)




そんな可愛いメールひとつで、ない時間を割いてやっと絞り出した空白の5分間。
使われていない会議室でようやく巡り会えた。




限界だったキミは確かに疲れているようで、定例会議の時とは全然違う顔つき。
空いていた時間を埋めるかのように激しく唇を重ねる。
久しぶりのキミとのキスに懐かしさと薄れていた愛情を取り戻そうと深く絡ませた。




身体を密着させて首の後ろに手を回す。
明日は大事なコンペでしょ?
気合い入れてよって言われたけど結局キスしたいだけだね。




離れてはまたくっついてなかなか終わらないキス。
私だってまだ欲しい…と重ねてしまう。
明かりもつかない密室で求め合う2人の影。
社内でこんな事……見つかったらヤバいね。




私は社長秘書で、キミはマーケティング部門のいち社員。
このコンペを勝ち抜けばきっと昇進するだろう。
永田課長と並ぶ事になるかも知れない。
もしくは、キミが課長になって永田課長はさらに上にいくかもね。




「美雨……明日会える?家で待ってて欲しい」




もうすでに合鍵を持つ仲だ。
付き合っているのだから当然の流れだろう。




「え……打ち上げは?」




「早く切り上げるから」




「わかった……待ってるね」




本当に限界越えてる顔。
返事したらまたすぐに唇を塞がれた。
これ以上したら収めるのに時間かかっちゃうでしょ?
私もそろそろ戻らなきゃ。




「たっくん激し過ぎ……会社だってば」




「ハァ……ごめん、抑えきれなくて」




「じゃ、後でね」




「うん、わかった」




後でね……とは会議の事だ。
午後から控えてる定例会議。
その前にチャージしたかったんだそう。




会議が始まればお互い他人行儀に移る。
社内での適した関係性だ。
例え一線を越えた仲でも決して曲げない私なりのルールであり、それを守れない人間は長続きはしない。




社長秘書という肩書きが良い意味で役立っている。
誰も社長に知られる訳にはいかないと思ってくれているので自然と暗黙のルールと化しているのだ。










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