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イキ狂う敏腕社長秘書
第12章 【愛の循環】





父親なんてとっくに居ないですよ。
離婚してるんで、うちは。
今もどこで何してるかわかんないです。
わかりたくもないです。
面影もありません。




ちなみに母親とも縁を切った仲なので。
連絡先すら消したのでもう会うこともないでしょう。
それは、高校を卒業したと同時の話です。
大学は自力で卒業しました。




誰にも頼らず生きてきたつもりでしたが、まさか自分が不倫に走るなんて思ってもみなかったです。
色んなしがらみから抜け出して来たはずなのに。
それでも人は愛を求めてしまうんですね。




間違った歪んだ愛でもしがみついてしまう。
勢いよく燃え移った火の粉は跡形もなく萌え尽くして鎮火していく。
姿かたちを変えた私はあの頃の景色を自分の手で塗り替えてしまった。




今から不倫男と別れて彼氏の元へ行く。
父親と会うなどと嘘をついて。
そんな自分が滑稽で嫌になるけど、これもまた愛を求めて彷徨う女の醜い欲望なのだ。




足りない愛を他の愛で補う。




バカだな、私。
それに惑わされる男も皆バカ。
ううん、欲望のなすりつけ合い……かな。
こっちは身体売ってんだから愛を売ってよ。
偽物でいいからさ。
今の私を抱き締めて。




名残惜しそうに見送ってくれる彼の頬を抓んだ。




「今日の社長も格好良かったですよ、ちゃんと仕事出来てました」




そう言ってタクシーに乗り込む。
閉まるドアに手を掛けてもう一度私の名を呼ぶ声。




「美雨…」




「帰ります、おやすみなさい」




笑顔でサヨナラしてドアは閉まり走り出す。
これで良い。
これで良いんですよ、社長。





ダメですよ、溺れちゃ………私たちは溺れちゃいけない。





溺れてるフリ……してましょうね。
そういうのだけ得意になっちゃった可愛げのない私です。
どうしようもない私を、後どのくらい愛してもらえるのでしょうか。

















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