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イキ狂う敏腕社長秘書
第3章 【覚醒する心と身体】
「10周年式典ですか?」
「あぁ、○○ホテルで盛大に祝うから秘書もドレスコードするんだ」
「は、はい……」
「心配するな、もう目星は付けてある」
目星っ!?どういうこと!?
ドレスコードってちょっと自信ない。
来月の月締めが終わった翌日の26日に行われるとか。
5周年まで毎年開催されていたみたいだが一時業績が傾きしばらく見送っていたそう。
見事V字回復して私も入社出来たんだよね。
新卒採用は私の年から再開したらしい。
じゃ、5年ぶりでキリの良い10周年で盛大に…というわけか。
で、連れて来られた場所。
全てオーダーメイドのかなり高そうなお店。
社長のスーツは勿論のこと、私服ですらここで買い揃えているそう。
「西条様、いつもご贔屓有難う御座います」
角度まで完璧なお辞儀。
店員まで品格が行き届いている。
見習わなければ。
「うん、電話でも話したけど彼女のドレスコードを見立てて欲しい」
「かしこまりました」
「秘書の真田だ、大事に扱ってくれ」
そう紹介され顔から火が出そうになる。
慌てて頭を下げるとニッコリと優しく微笑んでくださる店員さん。
下村です、と自己紹介してくれた後。
「それでは早速サイズの方測らせて頂きますのでこちらへどうぞ」とフィッティングルームに連れて行かれる。
3サイズや肩幅着丈等、一瞬で測られ全て頭に入ったようだ。
生地や出来上がりの形を社長と一緒に決めていく。
え、本当に1から作るの!?
たった一度の式典の為に!?
既製品で充分なのに。
「大事な式典なんだ、お前と迎えるのにこれくらいは当然だろ?いや、これくらいはさせてくれ。日頃の感謝の気持ちだ」
そんな言うほど完璧な秘書じゃないよ。
買いかぶりすぎ。
でもここは男性として立てるべきところ。
馴染みの店みたいだし、恐縮ながら甘えさせて頂こう…かな。
よし、仕事で返していこう。
身の引き締まる思いです。
いつ何時も完璧なまでにスマートな社長。
歳上ということもあるけど何よりフワフワさせられるのは、人当たりが良くて温厚で厳しさの中に必ず優しさがあって頼りになる。